日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
C型慢性肝炎に対するインターフェロン長期投与の検討
荘司 貞志倉田 道夫牧田 明細井 仁坂井 隆夫滝川 一三宅 和彦山中 正己加藤 厚郎
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1991 年 88 巻 3 号 p. 706-713

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抄録

C型慢性肝炎41例に対しインターフェロン (IFN) α2a, 6×106IU/日, 3週連日投与にひき続き3×106IU/日, 週3回の間歇投与を6カ月またはそれ以上試みその効果及び予後を検討した. 間歇投与6カ月終了後に29例 (70.7%) にトランスアミナーゼの正常化及びほぼ正常化が得られ組織学的にも炎症所見の改善がみられた. IFN投与によりHCV抗体陽性34例中7例(20.6%)でHCV抗体は陰性化し全例トランスアミナーゼが正常化及びほぼ正常化した. またIFN抗体はIFN投与前より陽性の1例を含め8例 (19.5%) に検出され殆どが中和抗体と考えられた. IFN投与終了者は22例 (53.7%) で全例トランスアミナーゼの正常及びほぼ正常が持続した(観察期間1~24カ月, 平均12カ月). IFNの短期連日投与にひき続く長期間歇投与はC型慢性肝炎に対し安全でかつ有効な投与法であることが示唆された.

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