日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Helicobacter pylori 感染診断における血中抗体価測定の意義
山川 治竹森 康弘野田 八嗣太田 五六
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1993 年 90 巻 9 号 p. 2090-2096

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抄録

Helicobacter pylori (以下, HP) 感染の診断における血中抗HP抗体測定の意義について, 培養法と比較しつつ検討した. 内視鏡検査を施行した67例を対象とし, 胃前庭部および体部より採取した生検材料よりHPを培養, 定量化し, かつ同時に血中IgG型抗HP抗体価をEIA法にて測定した. 培養法陽性群 (n=53) および陰性群 (n=14) での抗HP抗体価はそれぞれ40.6±33.7U, 10.6±9.1Uで陽性群で有意に高かった. 培養法を基礎とすると, 抗体価測定の感度は96.2%, 特異性は60.0%であった. また, 培養法での体部菌量と, 抗体価との間に正の相関がみられた.

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