日本消化器病学会雑誌
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48時間連続胃内pH測定からみたプロトンポンプ阻害剤(PPI)隔日投与の有用性 ―cimetidine,omeprazole,およびlansoprazoleの比較―
山本 佳洋瀬在 秀一桜林 真平野 正憲岡 博
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1995 年 92 巻 6 号 p. 919-924

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抄録

プロトンポンプ阻害剤(PPI)隔日投与の有用性をH2拮抗剤連日投与と対比し,その胃酸分泌抑制作用の面から検討した.使用薬剤は,omeprazole(OPZ)20mg,およびlansoprazole(LPZ)30mgの隔日投与法,H2拮抗剤としてcimetidine(CIM)800mgおよび400mg連日投与法を用い,それぞれ投与開始2週間後に,連続胃内pH測定を施行しpH4以上の時間(pH4 holding time)を算出した.全測定時間のpH4 holding timeは,CIM 800mg投与群で400mg投与群に比較して有意に延長し(48.4±3.7 vs 33.7±4.9%,p<0.05),PPI隔日投与では,OPZ群(60.1±6.1%)およびLPZ群(66.1±6.0%)に差を認めなかったが,CIM 800mg群に比較して有意に延長していた(p<0.01).しかし,夜間帯では各群に有意な差はなく,PPI隔日投与群では,日中での酸分泌抑制効果が示唆された.以上,PPI隔日投与では,CIM投与群に比較して酸分泌抑制効果は高く,消化性潰瘍治療での応用範囲は広いものと考えられた.

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