日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
多形慢性痒疹を契機に発見された無黄疸胆管癌の1例
粉川 敦史山村 晴男前田 純江古河 哲哉山本 和夫池内 孝夫
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1999 年 96 巻 3 号 p. 300-304

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抄録

症例は77歳男性,腰背部を中心に紅斑,丘疹が出現し,当院皮膚科にて腫瘍随伴性皮膚病変の一つとされる多形慢性痒疹と診断された.内臓悪性疾患の合併の検索目的で当科転科後,精査により,無黄疸の中部胆管癌が発見され,放射線治療が施行された.放射線治療後に皮膚病変は軽快し,現在まで黄疸は認めず,経過は良好である.多形慢性痒疹に悪性腫瘍を合併することは広く知られているが,実際の報告例は少なく,貴重な症例と考え報告する.

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© 財団法人 日本消化器病学会
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