インターフェロン治療著効後約三年で肝細胞癌が認められたC型慢性肝炎の1例

宮尾 直樹; 芹澤 宏; 熊谷 直樹; 高石 官均; 渡辺 憲明; 濱田 慶城; 土本 寛二; 竹内 修; 豊田 元; 倉持 茂; 石井 裕正

doi:10.11405/nisshoshi1964.96.535

宮尾直樹, 芹澤宏, 熊谷直樹, 高石官均, 渡辺憲明, 濱田慶城, 土本寛二, 竹内修, 豊田元, 倉持茂, 石井裕正

著者情報

宮尾直樹
北里研究所病院内科
芹澤宏
北里研究所病院内科
熊谷直樹
北里研究所病院内科
高石官均
北里研究所病院内科
渡辺憲明
北里研究所病院内科
濱田慶城
北里研究所病院内科
土本寛二
北里研究所病院内科
竹内修
北里研究所病院バイオメディカル
豊田元
北里研究所病院外科
倉持茂
慶應義塾大学医学部病理
石井裕正
慶應義塾大学医学部消化器内科

キーワード: 肝細胞癌, インターフェロン療法, C型慢性肝炎

ジャーナルフリー

1999 年 96 巻 5 号 p. 535-539

DOI https://doi.org/10.11405/nisshoshi1964.96.535

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抄録

症例は64歳，男性．トランスアミナーゼ持続高値を呈するC型肝炎のため肝生検を施行，CAH 2A(F1A2)が確認された．IFN療法によりHCV-RNAは陰性化しトランスアミナーゼも正常化し1年後肝組織像はF1A1に改善した．トランスアミナーゼ持続正常であったが，約3年半後AFP高値とともに肝癌が確認された．手術標本で組織中HCVもPCR法で陰性で，ウイルスの残存は否定的であった．C型慢性肝炎のIFN療法著効後数年での肝癌発生はまれであり示唆に富む症例と考えられた．

責任著者(Corresponding author)

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