日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
高齢者の直腸内分泌細胞癌の1症例
牧野 浩司森山 雄吉田中 宣威京野 昭二横井 公良小川 芳雄山下 精彦大秋 美治恩田 昌彦
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1999 年 96 巻 9 号 p. 1057-1061

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抄録

直腸に原発した神経内分泌細胞癌の1症例を経験したので報告する.症例は89歳の男性で血便,脱肛を主訴に来院した.直腸診にて腫瘤を触れ,直腸癌を疑い注腸造影を施行したところ,Rbに陰影欠損を認めた.大腸内視鏡検査にてAV 2cmに直径7cmの2'typeの腫瘍を認め,生検でgroup V,神経内分泌細胞癌が疑われた.骨盤CT,MRIにて前立腺,周囲脂肪織への浸潤およびリンパ節転移が疑われたが,上腹部CTでは肝転移は認められなかった.切除可能と診断しMiles手術を施行した.直腸手術標本のGrimelius,Chromogranin,NSE染色および電子顕微鏡所見にて神経内分泌細胞癌と診断した.

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