日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
上腸間膜動脈解離の臨床的検討
木村 まり子松田 徹深瀬 和利奥本 和夫間部 克裕鈴木 克典青山 一郎堺 順一斉藤 博佐藤 信一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 99 巻 2 号 p. 145-151

詳細
抄録

上腸間膜動脈解離6症例につき検討した.高血圧を4例に認め,危険因子として考慮された.症状の特徴として,背部に放散する高度の腹痛,背部痛,食後の症状増悪,腸雑音の減弱が挙げられた.診断にはCTや腹部超音波検査が有用であった.抗血栓凝固薬で保存的に管理し,4例が改善した.改善しない2例については厳重に経過を観察し,増悪するようなら侵襲的治療を考慮する必要がある.本疾患として加療されていることもあり,腹痛の鑑別診断上忘れてはならない疾患であると考えられた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top