日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
99 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 熊田 博光
    2002 年 99 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    B型肝炎においては,この10年間で肝臓癌の死亡数はほとんど減少していないのが現実である.その一つの原因としては,B型肝炎においてはe抗原からe抗体にseroconversionし,トランスアミナーゼが正常化した群からも肝癌が出現することが考えられる.最近,B型肝炎に対して核酸アナログ体であるラミプジンが保険適用になり,またインターフェロンの6カ月の長期療法も可能となった.その結果,B型肝炎に対して主としてキャリアーからの重症化に関しては,ラミプジンが治療の第1選択であり,その治療効果が確かめられつつある,またB型肝炎の予後については,genotype Bは予後がよく,genotype Cは予後が悪いこと,さらにはコアプロモーターの変異などにも規定されることが明らかとなった.こうしたことからB型肝炎はその治療法の選択にあたっては,genotype,ウイルス量,遺伝子変化など種々の要因を考え,また薬剤に関してもラミブジン,インターフェロン長期療法が主体となると考えられた.
  • 岡上 武
    2002 年 99 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    interferon(IFN)とiamivudineは欧米では肝硬変患者に広く使用され,その有効性が証明されているが,わが国では保険適応になっていない,B型では肝癌なしに肝不全死をきたす患者が多く,抗ウイルス療法の目的は,ウイルスの増殖を抑制し,病気の進展を阻止して肝不全死を防止することと,発癌抑制である.IFNは白血球数・血小板数の少ない患者には使用できず,投与量は2-5MU/日と少量とする.lamivudineはかなり幅広い患者に投与可能で,長期投与で肝機能が著明に改善するが,Iamivudine抵抗性のウイルスが出現する.抗ウイルス療法の適応,治療の実際と問題点を述べた.
  • 木村 まり子, 松田 徹, 深瀬 和利, 奥本 和夫, 間部 克裕, 鈴木 克典, 青山 一郎, 堺 順一, 斉藤 博, 佐藤 信一郎
    2002 年 99 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    上腸間膜動脈解離6症例につき検討した.高血圧を4例に認め,危険因子として考慮された.症状の特徴として,背部に放散する高度の腹痛,背部痛,食後の症状増悪,腸雑音の減弱が挙げられた.診断にはCTや腹部超音波検査が有用であった.抗血栓凝固薬で保存的に管理し,4例が改善した.改善しない2例については厳重に経過を観察し,増悪するようなら侵襲的治療を考慮する必要がある.本疾患として加療されていることもあり,腹痛の鑑別診断上忘れてはならない疾患であると考えられた.
  • 深澤 貴子, 中村 利夫, 横井 佳博, 丸山 敬二, 柏原 秀史, 砂山 健一, 大端 考, 鈴木 昌八, 今野 弘之, 中村 達
    2002 年 99 巻 2 号 p. 152-156
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は28歳男性.平成7年発症の小腸型クローン病で平成8年回腸切除,狭窄形成術施行後,在宅経腸栄養療法,5-ASA内服を行っていた.平成12年8月腹痛,下痢を認め小腸病変の再燃と判断し入院した.絶食,IVH管理により症状は寛解したが,再度腹痛と共に発熱を認めた,腹部CTで肝S4に壁肥厚をともなう不整形の低吸収域を認め,肝膿瘍と診断した.エコーガイド下経皮経肝膿瘍ドレナージにより改善した.
  • 杉浦 博, 下沢 英二, 村上 慶洋, 佐々木 剛志, 加藤 紘之
    2002 年 99 巻 2 号 p. 157-160
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    当院において閉鎖孔ヘルニア嵌頓の6例を経験した.症例は女性は5例,男性1例,年齢は77~92歳で,5例に著明なるい痩を認めた.発生部位は右4例,左2例で,嵌頓臓器は回腸が5例,空腸が1例で,すべてRichter型の嵌頓であった,術前の骨盤部CTにて,全例とも閉鎖孔レベルで恥骨筋と外閉鎖筋との間に嵌頓した腸管像が描出され,本症の診断に有用であった.
  • 伯井 俊彦, 藤岡 高弘, 花田 健治, 清家 英二, 東納 重隆, 下屋 正則, 峯 政文, 近藤 寿郎
    2002 年 99 巻 2 号 p. 161-164
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は46歳男性.C型慢性肝炎に対するIFN-α投与にて,全身性の痙攣をともなう意識消失発作を来した.脳波所見にて,広汎な徐波とspike and waveが認められ,てんかん発作と診断した.ゾニサミド投与にて改善したが,自己中止後も発作は認められず,また脳波も正常化した事から,IFNによるてんかん発作と考えられた,今後IFN治療時には脳波異常も十分に考慮すべきであると考える.
  • 寺西 卓也, 岡本 良之, 畑 憲幸, 松岡 学, 小川 将史, 清田 清史, 河崎 悟, 武居 明日美, 松浦 立人, 矢野 隆, 松本 ...
    2002 年 99 巻 2 号 p. 165-169
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は73歳女性,1カ月前より悪寒・全身倦怠感を自覚し近医にて解熱剤・抗生物質を投与されたがショック状態となり当院へ紹介入院.身体所見・腹部CT・血液検査にて有石胆嚢炎による毒素製ショック症候群(TSS)と診断し,エンドトキシン吸着療法・経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行した.PTGBDの排液からMRSAを分離検出.胆汁中にMRSAを分離検出した胆嚢炎でTSSを合併した報告例はなく報告する.
  • 喜多 竜一, 大崎 往夫, 蜂谷 勉, 木村 達, 米門 秀行, 澤武 建雄, 波多野 広美, 辻 賢太郎, 圓尾 隆典, 国立 裕之, 高 ...
    2002 年 99 巻 2 号 p. 170-178
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,男性.硬化性胆管炎としてウルソデオキシコール酸(UDCA)内服にて経過観察されていたが,胆道系酵素の上昇をきたし,精査のため入院.腹部超音波検査(US)にて高エコー,造影CTにて動脈-門脈シャントを内包する低吸収域として描出される区域性の血流障害を呈した.MRCP・ERCPにて肝内・肝外胆管は数珠状変化・帯状狭窄を呈し原発性硬化性胆管炎(PSC)と診断した,また肝生検にて,血流障害区域に周辺とくらべ強い線維化を確認した.3カ月後のCTでは血流異常像は消失傾向を示した.UDCA600mg/day経口投与に加え,bezafibrate400mg/day経口投与追加したところ,ALP値は速やかに低下傾向を示した.
  • 青井 東呉, 下重 勝雄, 上條 信也
    2002 年 99 巻 2 号 p. 179-183
    発行日: 2002/02/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は61歳,女性,Peutz-Jeghers症候群にて経過観察中,偶然に膵頭部腫瘤を認めた.入院精査を開始したが,小腸ポリープ切除などの数回の開腹手術の既往があり診断に難渋した.非浸潤性の膵癌と診断し膵頭十二指腸切除術をしたが,切除の可否,術式の決定は開腹所見での判断によることとなった.結果は非浸潤性膵管内乳頭腺癌で,治癒切除であった.本症候群は癌の合併頻度が高く,常に十分なスクリーニングと適切な治療が予後改善には大切である.
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