2018 年 22 巻 1 号 p. 37-43
小児がんは医療によって治癒できる病気となってきている.その一方で,厳しい治療や長期入院後の生活は小児がんの子どもにとどまらず,その家族へも影響を及ぼすとされる.そこで,今後の患児と家族支援のあり方を検討することを目的に2007年から10年間で検索を行い,小児がんを持つ子どもの家族支援に関する研究動向を概観し,原著論文による文献研究を行った.
33件の国内における原著論文を対象に,小児がんの子どもの家族支援について内容分析の結果,【治療で生じる問題に対する家族の思い】,【終末期の家族の思いと支援】,【退院後治療に関連した生活支援と移行支援】,【医療ケアの模索】の4カテゴリーが抽出された.治療中から,多職種連携による教育支援と移行支援という二つの側面を踏まえた上での継続的な包括支援ケアシステムが必要と考えられた.