脳血管内治療
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原 著
頭蓋内硬膜動静脈瘻に対するPenumbra Coil 400 の有用性
神保 康志阿部 博史根元 琢磨高野 弘基
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 3 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

【目的】頭蓋内硬膜動静脈瘻に対する経静脈的塞栓術(transvenous embolization: TVE)は罹患静脈洞を閉塞する上で有効な治療法であるが,時に多くのコイルを使用する場合がある.今回,われわれは一次コイル径の太いPenumbra Coil 400(PC 400; Penumbra Inc, Alameda, CA, USA)のみを用いてTVE を行った4 症例についてその有用性について報告する.【症例】2013 年4 月から2014 年3 月に治療した頭蓋内硬膜動静脈瘻4 例(海綿静脈洞部2 例,横静脈洞部1 例,頚静脈孔近傍1 例).PC 400 の平均使用本数は7.5 本,中でも全体の87%にJ Soft を使用した.手技に伴う合併症はなく,術後全例で症状は改善し,再発なし.【結論】PC 400 は1 次コイル径が0.020 inch でありながら非常に柔軟なコイルで,中でもJ Soft は他のコイルに比べて形状記憶が弱く畳み込みやすいことから,少ないコイル本数で密な塞栓が可能であり,頭蓋内硬膜動静脈瘻に対して非常に有用である.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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