脳血管内治療
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原著
Cone-beam CT 画像のディジタル値を利用した頭蓋内ステント描出能の定量的評価法
藤井 亮輔松本 一真萩原 芳明菊池 圭祐飯塚 崇文光家 千恵美岸田 浩美琴浦 規子吉村 紳一白川 学内田 和孝山田 清文
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 4 巻 2 号 p. 55-62

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抄録

【目的】脳動脈瘤塞栓用ステントは透視下で視認性が低いため,希釈造影剤を使用したcone-beamCT(CBCT)を撮影し,ステントと動脈瘤および母血管の位置関係を評価する.CBCT 画像は造影剤の希釈倍率によっては評価困難な画像となるため,適正な希釈倍率の決定は重要である.本研究ではCBCT 画像のディジタル値を用いて,従来行われている視覚的な評価に代わる,定量的に希釈倍率を評価する手法を考案し有用性について検討を行った.【方法】自作ファントムを作成し,各希釈倍率でステント,希釈造影剤,バックグラウンドのディジタル値を算出して適正な希釈倍率の検討を行った.また,2017 年6 月〜2018 年3 月にNeuroform Atlas(Stryker,Kalamazoo, MI, USA)を使用した脳血管内治療を施行し,かつCBCT を撮影した症例を対象とし,視覚的な評価と今回考案した定量的な評価を比較した.【結果】希釈倍率が高くなるほどステントと希釈造影剤のコントラストが高くなり,希釈造影剤とバックグラウンドのコントラストが低くなった.臨床画像の視覚評価と定量的な評価は1 症例を除いたすべての症例で同様の傾向を示した.【結論】ディジタル値を用いた定量的評価は,適正な造影剤の希釈倍率を決定する因子になることが示唆された.

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© 2019 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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