2019 年 4 巻 4 号 p. 173-177
【目的】脳内血腫を伴う破裂中大脳動脈瘤においてコイル塞栓術後に開頭血腫除去術を行った1 例を報告する.【症例】59 歳男性,左前頭葉脳内血腫を伴うくも膜下出血で入院した.CT アンギオグラフィーで左中大脳動脈のM1 近位部に12 × 8 × 8 mm の破裂動脈瘤をみとめた.動脈瘤周囲に血腫と穿通枝が存在し開頭術による動脈瘤処置は難易度が高いと判断した.コイル塞栓術を施行し,引き続き開頭血腫除去を行うことで手術を安全に行うことができた.患者はDay40 mRS4 で回復期リハビリテーション病院に転院した.【結論】脳内血腫を伴う破裂動脈瘤に対してコイル塞栓術後に血腫除去を行った.直達手術とともに新たな治療の選択肢となりうる.