2021 年 6 巻 4 号 p. 174-180
【目的】近年,血管内治療後 device から剝離した polyvinylpyrrolidone(PVP)による合併症の報告が散見される.頚動脈ステント留置術時に剝離した PVP 検出を試み,予防策を検討する.【方法】Carotid Guardwire を用いた 3 例について検討した.Guiding catheter 誘導後 inner catheter 抜去時に吸引した血液(PRE 検体),Guardwire を収縮する前に吸引した血液(POST 検体)をそれぞれ付属のフィルターで濾過し調査した.残存した debris を Fourier transform infrared(FTIR)spectroscopy を用いて PVP のピーク値と一致するか調べた.【結果】PRE 検体でのみ小さな光沢のある人工物が認められ,FTIR spectroscopy では PVP のピーク値と一致した.【結論】頚動脈ステント留置術ではPRE 検体にPVP が検出された.PVP 飛散を減らすためには,inner catheter 等内腔差が小さいデバイス操作時には血液を逆流させる等の工夫が必要である.