脳血管内治療
Online ISSN : 2424-1709
Print ISSN : 2423-9119
ISSN-L : 2423-9119
原著
頚動脈ステント留置術中に剝離した 親水性コーティング材検出と予防策の検討
細野 篤大川原 舞吉沢 友和鈴木 隼越阪部 学山口 裕之上田 幹也前田 高宏
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 6 巻 4 号 p. 174-180

詳細
抄録

【目的】近年,血管内治療後 device から剝離した polyvinylpyrrolidone(PVP)による合併症の報告が散見される.頚動脈ステント留置術時に剝離した PVP 検出を試み,予防策を検討する.【方法】Carotid Guardwire を用いた 3 例について検討した.Guiding catheter 誘導後 inner catheter 抜去時に吸引した血液(PRE 検体),Guardwire を収縮する前に吸引した血液(POST 検体)をそれぞれ付属のフィルターで濾過し調査した.残存した debris を Fourier transform infrared(FTIR)spectroscopy を用いて PVP のピーク値と一致するか調べた.【結果】PRE 検体でのみ小さな光沢のある人工物が認められ,FTIR spectroscopy では PVP のピーク値と一致した.【結論】頚動脈ステント留置術ではPRE 検体にPVP が検出された.PVP 飛散を減らすためには,inner catheter 等内腔差が小さいデバイス操作時には血液を逆流させる等の工夫が必要である.

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top