脳血管内治療
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症例報告
COVID-19に合併した虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対して急性期ステント留置術を施行した1例
山田 拓見 加藤 貴之秋 達樹石黒 光紀白紙 伸一今井 秀
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2022 年 7 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

【目的】COVID-19に合併した虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対し,急性期脳血管内治療を施行した症例を報告する.【症例】20代男性.意識障害,右片麻痺,失語を主訴に救急搬送され,頭部MRIでは頭蓋内左内頚動脈解離による左大脳半球散在性脳梗塞が疑われた.入院時SARS-CoV-2抗原定量で陽性が確認されCOVID-19と診断,COVID-19専用病床での抗血栓療法を開始した.第3病日に脳梗塞の進行を認めたため,緊急で頭蓋内ステント留置術を施行し,順行性血流の改善を得た.【結論】COVID-19に合併する動脈解離は,SARS-CoV-2による血管内皮機能障害の関与が示唆されている.虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療では,内科的治療が優先されるが,症状悪化時は時機を逸せぬ脳血管内治療が有効である.

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© 2022 特定非営利活動法人日本脳神経血管内治療学会

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