【目的】左後大脳動脈の分枝を栄養血管とする脳動静脈奇形(AVM)の塞栓術において,Onyx注入終了後に対側の右後大脳動脈閉塞を来し,ステントリトリーバーで血行再建術を行った症例を報告する.【症例】15歳男性.AVMの出血による左後頭葉皮質下出血を来し,Onyxによる塞栓術および放射線治療を行うこととした.DeFrictorを栄養血管に誘導し,plugを作成してOnyxを注入し,部分閉塞を得た.DeFrictorを抜去した後に撮影を行うと,2回目の撮影で対側の右後大脳動脈の閉塞が認められた.ただちに血行再建術を行うこととし,Tron FX 2×15 mmを使用して血行再建術を行い,完全再開通が得られた.【結論】AVM塞栓術中にOnyxの迷入による対側後大脳動脈の閉塞を来した症例を経験した.迷入したOnyxに対しては,ステントリトリーバーを使用した血行再建術が有効であった.