脳血管内治療
Online ISSN : 2424-1709
Print ISSN : 2423-9119
ISSN-L : 2423-9119
症例報告
脳動脈瘤コイル塞栓術中に発生した経頭蓋電気刺激運動誘発電位モニタリングによる咬傷の1例
田中 達也 道脇 悠平山根 文孝若宮 富浩指田 涼平藤原 廉下地 一彰末廣 栄一小野田 恵介河島 雅到松野 彰
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 7 巻 2 号 p. 96-101

詳細
抄録

【目的】脳動脈瘤コイル塞栓術の際に施行した経頭蓋電気刺激運動誘発電位(transcranial motor-evoked potential: TCMEP)モニタリングによる稀な合併症,咬傷の1例を報告する.【症例提示】53歳男性.突然の頭痛,めまいで発症し,精査にて脳梗塞,左後下小脳動脈解離性動脈瘤を認め,TCMEPモニタリング下にステントアシストコイル塞栓術を施行した.TCMEP刺激時の咬筋収縮による舌裂傷,歯牙欠損を合併し,圧迫による止血が困難であったため,舌を3針縫合した.【結論】血管内治療は,抗血栓療法下に施行することが多く,軽微な傷であっても止血に難渋することがある.術前に舌が咬合部に来ないよう位置を確認することや,柔らかいバイトブロックとティースガードの併用等,TCMEPによる咬傷の予防に細心の注意を払うべきである.

著者関連情報
© 2022 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top