論文ID: cr.2021-0002
【目的】急性右中大脳動脈閉塞症に対して血栓回収術を行い,可逆的な血管狭窄病変を生じた 1 例を経験したので報告する.【症例】37 歳女性.突然の左片麻痺にて発症した右中大脳動脈閉塞症に対して,血栓回収術を行った.術直後および急性期の画像では血管狭窄は認めなかったが,術後 3カ月目の画像で右中大脳動脈に血管狭窄を認めた.その後は徐々に狭窄が改善し,経過を通して患者は無症候であった.【結語】血栓回収術後の慢性期に血管狭窄や閉塞を伴うことがあり,手技時の血管内皮損傷が関与している可能性がある.術後の経過観察において留意する必要がある.