論文ID: oa.2021-0012
【目的】経皮的脳血栓回収術は,脳虚血急性期の標準治療となった.Sofia Plus カテーテルは,柔軟な吸引型カテーテルである.その使用成績を報告する.【方法】連続 52 例の急性期脳虚血に対し,Sofia Plus を用いた経皮的脳血栓回収術を施行した.平均年齢 75 ± 9.0 歳,平均 NIHSS 16 ± 8.6 点,閉塞血管は内頚動脈 47%,中大脳動脈 M1 部 21%,M2 部 15%,脳底動脈17%であった.後方視的に再開通率,合併症,Sofia Plus の不具合について調べた.【結果】血栓吸引単独法(ADAPT)を 36/52 例(69%),ステントリトリーバー(SR)と Sofia Plus の併用を 16 例(31%)で最初に行った.ADAPT で再開通が得られない場合は SR を併用した.ADAPTの 21/36(58%),SR と Sofia Plus 併用の 26/30(87%)で良好な再開通が得られた.Sofia Plus は 49/52 例(94%)で閉塞血管直前まで到達した.手技による血管解離はなかった.Sofia Plus の破損が 3 例(5.8%)でみられた.術後の頭蓋内出血は 5.8%であった.3 カ月後の転帰良好(modified Rankin Scale 0-2)は 37%であった.【結論】Sofia Plus は誘導性の高い吸引カテーテルで,血管解離の合併症はなく安全性が高かった.Sofia Plus による ADAPT,SR 併用術ともに,再開通率は高く出血性合併症は少なかった.Sofia Plus は柔軟なカテーテルであり,無理な押し込み,SR の引き込みで破損のリスクがある.