抄録
17例の脳幹腫瘍例で,35回のSSEPを測定し,N20成分の所見とMRIでの腫瘍の進展,および臨床症状との相関を分析し,またN18成分の起源について検討した.Gd造影腫瘍例では,腫瘍が限局性の場合はN20成分への影響が小さく,腫瘍が大きくなり橋背側部や延髄上部に伸展するに従って,N20成分への影響が増大した.Gd非造影腫瘍例では,腫瘍の大きさや局在とN20成分の変化とは相関しなかった.またN20成分の障害の程度は臨床症状の重症度と正の相関があった.N20成分は脳幹腫瘍例の神経機能を評価する手段として有用であると思われた.N18成分は,腫瘍が延髄まで広範囲に伸展していた4例のみで消失していたため,その起源は延髄にあると推定した.