X線写真による,手術適用内側型OA膝の早期診断を目的に,従来の片脚立位撮影に,30,45,60°の屈曲撮影を加え,検討を行った.結果,全体で41.2%の膝にstageの上昇が見られ,特に立位伸展位でstage_III_であった膝では,76.9%に有意なstageの上昇が見られた.当院ではstage_IV_以上が手術適用であることから,立位伸展位でstage_III_であった膝に対し屈曲撮影を追加することは,手術適用の早期診断の上で有用であると考えられた.また,至適屈曲角度については,3つの角度間に有意差が無かった事,患者の苦痛,簡便性などから,30°屈曲位が望ましいと思われた.