日本農村医学会学術総会抄録集
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第56回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2B10
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一般演題
栃木県農村地域におけるリハビリテーションに対する患者満足度調査
豊田 平介関谷 明広高橋 陽介山本 紘靖角 ちとせ山城 緑内村 友香山崎 美保奥山 和明
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抄録

【はじめに】医療現場において患者様に対し,医療をサービスとして提供される。病院においてはこのサービスに対して患者様より納得して頂ける事が重要なところである。リハビリテーション(以下:リハビリ)においてもこのことは同様である。診療報酬の改定や高齢者の増加に伴いサービスの体系は変化していく。そのため患者様よりリハビリサービスとして何を求められているかを明確にしていくことは重要である。そこで今回,患者様にアンケート調査を実施し,リハビリに対する満足度と改善すべき点を明らかにするため分析を行い,要因の検討を行ったのでここに報告する。 【対象・方法】平成18年4月から平成19年3月の期間で当院入院にてリハビリを実施した患者様に対して退院時にアンケート用紙による調査を実施した。実施に際して患者様にアンケートに関する説明を行い,今回の調査に協力,または同意を得て行った。また意識および言語障害や認知症等にて本人より聴取困難な患者様は除外した。アンケートの選択肢は「満足」・「やや満足」・「普通」・「やや不満」・「不満」の5段階で評価し、評価の項目をA:期間,B:時間の程度,C:内容,D:説明,E:定刻,F:環境,G:リハビリ連携,H:他職種連携,I:総合の9項目とした。分析方法としては患者満足度分析(以下PS分析)として「満足度」、各評価項目の「重要度」、PSグラフ分析として満足度偏差値・重要度偏差値・修正指数を算出し「改善度」を求めた。 【結果】調査における回収率は58.5%(103名)であった。満足度の上位3つに挙げられたのはA期間の70.9,C内容の70.9,F環境の69.9であった。満足度はD説明の60.2が最下位になっていた。重要度の上位3つに挙げられたのはGリハビリ連携,H他職種連携,F環境であった。改善度の上位3つに挙げられたのはH他職種連携,D説明,Gリハビリ連携であった。 【考察】今回PS分析を行った結果、当院リハビリ科における患者満足度は概ね満足が得られていると思われる。特に満足度の中にA期間やC内容といった部分が反映されていることは十分なリハビリサービスが提供できていることを反映していると考える。と同時に、改善を促していくべき必要項目も明らかとなった。これらの項目について改善していくことで患者様満足度の向上につながると言える。改善点として連携に関してGリハビリ・H他職種間ともに挙げられた。当院は急性期病院の位置づけにあり,リハビリにおいても患者様の変化は速く,目標や方針の変更も随時行われる。そのためリハビリ科内だけではなく,病棟とのリハビリの進行状況の連絡や把握,患者様の予定などといった部分で弱い印象を与えたのではないかと考える。またD説明に関しては連携の部分も影響し,内容の変更や,予定の連絡などで不十分さを感じたのではないかと思われる。今回の結果よりPS分析より満足度および改善点が明らかとなり,今後のリハビリサービスへの指針になることが分かった。より一層の満足度の向上に努め,限界のない質的な向上を求めていきたいと考える。

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© 2007 一般社団法人 日本農村医学会
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