日本農村医学会学術総会抄録集
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第56回日本農村医学会学術総会
セッションID: kyouiku
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教育講演
慢性肝炎治療の確立を目指して
熊田 博光
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抄録

我が国のB型肝炎及びC型肝炎は、国民病として広く広がってしまった。 これは、C型肝炎に関しては、戦後の輸血及び医療行為によって感染したと考えられますし、またB型肝炎では、従来からの日本特有のB型肝炎の母子感染はほぼ終息したものの、海外からきた新たなB型肝炎が蔓延し始めている問題点があります。 本講演では、C型肝炎に関しては、最新の治療Peg-インターフェロン+リバビリン併用治療で、どこまでC型慢性肝炎が治癒するか、また肝硬変へのβインターフェロンの治療により、肝硬変も治癒する時代になったこと、更には将来の展望として、プロテアーゼインヒビターなどにより、いずれC型肝炎は絶滅に追い込まれる可能性についてもお話をしたいと思います。 一方、B型肝炎もC型肝炎ほど治療は進んでないものの、核酸アナログ製剤(ラミブジン・アデフォビル・エンテカビル)がでてきたことにより、長期的にHBV-DNAを抑え、また発癌抑制が充分可能な時代となりました。 本講演では、虎の門病院におけるC型肝炎 約7000例、B型肝炎 約5000例での長期データを基に、治療の実態を示したいと思います。

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© 2007 一般社団法人 日本農村医学会
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