日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 25-03
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7:1看護配置と課題
看護師数と看護時間数の分析より
原田 万里子三輪 幸世
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キーワード: 7:1看護配置
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抄録

〈はじめに〉当院は一般病床182床の急性期病院である。 病床稼働率98.4%,在院日数15.4日で,平成19年度より 7:1看護配置とし2年が経過した。今回,7:1入院基 本料取得に向けての経緯から取得後の現状を明らかにした 結果,今後の取組みを示唆することが出来たので報告す る。
〈研究目的〉7:1看護配置の実態から看護師数と看護時 間数に注目し,関係を明らかにすることで,今後の課題を 見出すこと。
〈研究方法〉
1,人員の試算と人件費の試算
2,7:1看護配置における入院基本料算定試算
3,看護師確保への取組みの実態
4,2年間の1日看護配置数と休日数の関係を分析
5,2年間の予定看護時間数と実看護時間数の比較と分析
〈結果〉休日が多い月は1日の実看護配置数が少なくな る。休日の多い月が連続する場合は看護配置数に余裕が必 要である。毎月の予定看護時間数では基準を満たしてい る。予定看護時間数と実看護時間数との差が月平均657時 間で4.3人分にあたる。7:1入院基本料算定による収入 は収入増につながる。7:1看護配置は看護師増員と離職 率の低下につながる。
〈今後の課題〉
1,看護配置数と実看護時間数に余裕のある看護師確保が 重要。
2,急な事態にも対応できるリリーフ看護師の確保と育成 に取り組むことが必要。
3,急性期の医療現場では,7:1看護配置の継続は不可 欠で,今後とも組織全体で取り組むことが必要。
〈おわりに〉県内の病院の内,74施設が一般病床届出を行 い,そのうち13施設が7:1看護配置を行っている。当院 を取り巻く環境に於も,7:1看護配置施設が5施設あり 看護師確保はさらに厳しい状況が予測される。今後,余裕 のある看護師数を確保し,職員が安心して働ける環境と安 定した経営のためにも7:1看護配置の継続は重要であ る。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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