日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-A108
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術後せん妄の予測と対応の看護統一化にむけて
?当病棟で使用可能な術後せん妄シートの作成?
林 英子繪幡 悦子前山 手稲村井 京子諸星 浩美坪井 声示玉内 登志雄牧野 典子
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抄録

〈緒言〉65歳以上の高齢者は術後せん妄を発症し危険行動
を起こしやすく,当病棟の調査でも術後せん妄を発症した
患者が25%みられた。術後せん妄患者に安全で有効な看護
を展開するために,2006年に作成した術後せん妄シートに
改良を加え,なおかつせん妄評価尺度の作成し併用する事
で,せん妄に対する看護の統一が図られたので報告する。

〈方法〉研究期間:2007年3月~2008年10月。研究方法:
(1)2006年度版シートを改良し,2008年度版シートを作成す
る。(2)高齢者への看護ケアモデル記載のせん妄評価尺度
(ナース版)を参考に,せん妄評価尺度を作成する。(3)
(1)・(2)を併用して活用後,病棟看護師にアンケート調査
(質問紙自記式無記名調査)を行う。

〈結果〉(1)2006年版シート結果,高齢者のせん妄発症リス
クが高い事から年齢の点数を上げた。(2)せん妄評価尺度は
術後せん妄に焦点を当てた為,せん妄発症時関経過,せん
妄症状の変動を削除し2008年度版シートとの併用の為,身
体的要因も削除した。(3)シート活用後のアンケート調査で
は,術後せん妄に対する看護に意識の変化があったと答え
た看護師は22名中21名であった。術後せん妄の経過が理解
できた。患者の言動・行動に意識的に観察するようになっ
た。早期に対応できたなどの意見があった。

〈考察〉シートの改良とせん妄評価尺度の併用により術後
せん妄に対する看護師の意識も変化した。またこれらの
シートを活用することで,経験年数に関係なく看護の統一
が図れ,術後せん妄を術前から予測し予防する事が可能に
なった。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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