日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-C318
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新病理検査システムの導入について
常山 聡島 千尋船橋 智子田村 裕恵宮川 正明及川 賢輔櫻井 宏治
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抄録

〈緒言〉当院臨床検査技術科では,院内のオーダリングシ
ステムの更新と同時に病理検査システムの更新を行った。
今回は新病理検査システムの導入経験について報告する。
〈対象と方法〉旧病理検査システムは,1995年9月に導入
され,現在2009年5月までの13年9ヶ月間の病理検査の業
務を管理し,また膨大な症例をデータベース化し,臨床側
の様々なニーズに応えてきた。今回,新病理検査システム
を導入することによって得た改善点,また導入に到るまで
の問題点等について旧病理検査システムと比較を行った。
〈結果〉新病理検査システム導入は北海道厚生連の3病院
(旭川・札幌・帯広)で計画され,札幌,帯広,旭川の順
に施行された。また,導入時作業の軽減のため,システム
の画面構成,設定コード,依頼伝票・報告書などについて
3病院共通の様式で行われた。当院は3病院の中で最後の
導入となったが,病理検査システムとオーダリングシステ
ムの同時導入という大規模な改変が必要であったにもかか
わらず,先行2病院(札幌・帯広)の導入経験が生かされ
たため,円滑に施行できた。
新病理検査システムにおいては,Windows XP Pro ベー
スのDr. ヘルパーBegins1.00が使用され,それがオーダ
リングシステムEGMAIN-EX と連携された。以前の病理
検査システムでは,臨床経過などの情報は手書きの依頼伝
票から得るしかなかったが,新病理検査システムでは,臨
床経過・依頼目的などを含む臨床側の情報すべてが,病理
医使用端末から直接参照できるようになった。さらに,病
理診断報告も臨床側のオーダーリング端末からの参照が可
能になった。また,近年病理検査の検体とり違いによる医
療事故が問題となっているが,バーコードの導入,病理検
査システムからのカセットプリンター・スライドプリン
ター管理によって,これらのリスクについても低減される
と考えている。
〈考察〉システムの導入経験と5ヶ月間の使用経験,今後
の課題等について報告したい。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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