〈はじめに〉近年フラットパネルマンモグラフィ装置(以
下FPD 装置)が普及してきている。当院でも2008年12月
よりGEHC 社製FPD 装置SenographeDS を導入した。
そこで今回FPD 装置,CR マンモグラフィ装置(以下CR
装置),アナログマンモグラフィ装置(以下アナログ装
置)において,線量と分解能のついての検討をした。
〈使用機器〉FPD 装置:GEHC 社製SenographeDS,CR
装置:GEHC 社製SenographeDMR+,アナログ装置:
東芝社製MGU―200B,CR 読取装置:FUJIFILM 社製
PROFECT,CS ドライイメージャー:FUJIFILM 社製
DRYPIX7000,FILM : FUJIFILM 社製DI-ML,KODAK
社製Min-R2000,156ファントム:ACR 規格。
〈方法〉各装置で管電圧28kV に固定しmAs 値を変化さ
せ(4~100mAs)156ファントムを撮像した。階調など
画像処理条件は普段臨床で使用しているものを使用した。
撮像した画像を技師10名にて視覚評価した。
〈検討項目〉1.全ての装置においてmAs 値を小さくし
た場合の画像変化。2.FPD 装置とCR 装置による,腫
瘍,石灰化,繊維の視覚的評価(スコア評価)。3.アナ
ログ装置における156ファントムの日常制度管理画像との
比較。
〈結果〉1.アナログ装置はmAs 値を小さくするにつれ
て評価不能となった。2.FPD,CR 装置は,mAs 値を
小さくしていっても,腫瘍,石灰化,繊維,4mAs で視
覚的に分解可能であった。3.FPD,CR 装置は14mAs
で視覚的に同等の画像がえられた。
〈考察〉アナログ装置では,mAs 値を小さくすると評価
不能であるが,FPD,CR 装置ではmAs 値を小さくして
も評価可能であった。これにより患者様の被曝線量の低減
が可能であると考える。(mAs 値と被曝線量を直線的な関
係と考えると)
〈まとめ〉今回は初歩的な視覚による評価であった。それ
ぞれの機器の持つ本来の分解能は,物理的に評価する必要
もあると思うので今後の課題としたい。