日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 12-07
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当院における外来化学療法の取り組み
三品 慶高加藤 昌之足立 茂樹高田 実守屋 猛
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キーワード: 外来化学療法
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抄録

〈緒言〉がん化学療法の実施にあたっては,医療スタッフ
によるチーム医療が不可欠であり,薬剤師もその役割を期
待されている。当院においても平成20年6月に外来化学療
法室が開設され,7月より薬局において外来患者の抗がん
剤の無菌調製を開始した。今回,外来化学療法の現状と薬
局の取り組みおよび今後の課題について検討したので報告
する。
〈概要〉使用レジメンは登録制にした。新規レジメンは各
診療科で作成し,化学療法委員会で承認後,使用可とし
た。承認されたレジメンは院内LAN 端末上に登録し閲覧
できるようにした。外来化学療法を開始する際には「化学
療法開始連絡書」を院内LAN 端末上よりダウンロード
し,レジメン名ほか必要事項を記載し薬局に提出する。提
出された「化学療法開始連絡書」と登録レジメンをもとに
監査を行い,必要時に疑義照会を行う。疑義照会項目およ
び照会基準は化学療法委員会において院内で統一した。疑
義照会の回答は「疑義照会経過記録」に記録する。
化学療法前日,薬局で「化学療法開始連絡書」と処方内
容を監査し薬品をセットする。薬品毎に「調製に関する注
意点」,処方毎に「調製手順書」を作成する。また,化学
療法当日「化学療法実施連絡書」により実施,中止,内容
変更の指示が外来化学療法室にファックスにて連絡され,
二人の薬剤師が調製,監査を行い,調製薬とカルテ内容を
薬剤師と看護師で確認し実施する。
〈結語〉抗がん剤はその使用を誤ると重篤な副作用を招く
恐れがある。薬剤師がレジメン管理をし,監査基準を作成
したことにより監査業務がスムーズに運用できた。今後も
抗がん剤に対しての技能,知識向上を目指し,患者への安
全で適切な治療の実施に貢献していくことが薬剤師の責務
と考える。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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