〈はじめに〉A 病院では，現在パンフレットで脊髄造影の
説明が行われている。しかし，検査前後のイメージがつき
づらく説明後，質問，不安の声が多く聞かれる現状があ
る。
そこで，脊髄造影検査説明DVD を作成した。今回パン
フレットを用いての説明と，作成したDVD を見てもらい
説明を行った結果を比較したのでここに報告する。
〈研究方法〉
１．研究対象・条件
年齢・性別問わず，脊髄造影を受け，アンケート調査に
同意される入院患者。
〈結果〉パンフレットを用いた説明で「分からなかった」
と答えた理由としては「言葉の意味」等であった。検査後
の注意事項について「守れなかった」と答えた理由は「同
じ姿勢でいることが辛く起き上がった。」と答えた。また
「造影剤検査の説明でもっと知りたかった内容は何です
か。」の問いに対しては，「重要な文章の文字を太くするな
ど分かりやすくしたほうが良い。」「１回の説明では理解が
できない。」「高齢の方は２回に分けて説明したらいいので
はないか。」などの意見があった。
DVD を用いた説明で「守れなかった」と答えた理由は
「早く歩きたかったから」であった。
〈考察〉DVD 作成後，誰が見てもわかりやすいものにな
るよう，病棟スタッフ全員に見てもらい，「流している映
像が，検査前なのか後なのかが，はっきり表記されていた
方がいい」「検査にかかる時間を伝えたほうがいい」「文字
は大きく，注意点を○×で示してほしい」「登場人物は同
一人物がよい」などの意見があり，それらをもとに，再度
DVD 作成を行なった。
今回DVD 作成において，必要な内容だけをまとめ，検
査前・中・後の実際の場面を表現し，目で映像を見ること
で検査前後のイメージができDVD は，有効であったと考
えられる。患者やスタッフからも，DVD の内容は分かり
やすかったという意見が多く聞かれた。
DVD による説明では，その時は理解できてもその後，
記憶が曖昧になることがある。また難聴の患者には不向き
の場合もある。そのためDVD だけでなく振り返りができ
るパンフレットがあることで，さらに安心して検査が受け
られると考えられる。
〈結論〉説明教育DVD は，脊髄造影検査のイメージがつ
き有効であった。
