日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 14-08
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周手術期褥瘡リスクの継続的な観察を目指して
川添 加代子佐藤 まゆみニ之夕 美江子
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キーワード: 褥瘡予防
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抄録

〈はじめに〉手術室の取り組みの一つとして術前訪問の情
報収集から効果的な除圧方法を検討し体位固定を行ってい
る。
今回,術前訪問で褥瘡リスクの情報を得て予防に努めた
が,手術終了時に発赤を認めた。術中看護記録の継続看護
欄に記載し術後訪問時にその後の経過を確認したが申し送
り不足の為情報が得られず観察に出向いた。発赤は糜爛し
ていた。このような状況を振り返り褥瘡予防に対しスタッ
フが統一した視点の皮膚観察の記入シートを作成活用し,
病棟との連携,周手術期の継続的看護に取り組んだ。
〈方法〉外科系病棟から60人,内科・混合病棟から60人合
計120人の看護師を対象に周手術期褥瘡リスクに対する意
識をアンケート調査した。内容は周手術期褥瘡リスクの認
識度。手術体位の褥瘡好発部位の理解。術後の観察記録の
優先順位とした。結果をうけ褥瘡チェックシートを作成し
活用。その後,このシートについて聞き取り調査を行っ
た。また,褥瘡委員会で各手術体位の褥瘡好発部位につい
て勉強会を計画した。
〈結果〉アンケート回答率は100%であった。結果をうけ
褥瘡の継続観察の為,チェックシートを活用した。その後
病棟,手術室スタッフから意見が寄せられ周手術期褥瘡評
価表の作成に至った。これらはアンケート施行やチェック
シート活用などで褥瘡に対して手術室での取り組みを病棟
へアピールした結果となり関係各部署での周手術期褥瘡へ
の理解が深まり大きな収穫となったと考える。褥瘡予防の
対策は多くの要因を分析し,原因となる因子の把握や生じ
た問題点の速やかな対応が必要である。評価表活用で周手
術期褥瘡の継続観察や原因検索ができたと言う意見もあ
り,この試みが新たな予防対策やケアに繋がると考える

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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