日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-D2-5
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救急・集中治療領域におけるスタッフ教育
~勤務交替者の定着を目指して~
森山 恵久美
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キーワード: HCU, 勤務交替, 教育
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抄録

平成20年当院は現地へ移転し、ICU・HCU30床をもつ救急救命センターが開設された。院内の急性期医療をそこに集中させたことから、スタッフ教育を目的とした、看護師の勤務交替が多く、20年度は12人の看護がHCUへ配属された。  当院は、全科の術後管理、緊急入院対応をHCUで行う特性をもつことから、スタッフには多くの知識・技術が要求される。しかし開設当初から在籍するスタッフであっても、知識・技術の不足、重症患者への看護の不安を多くかかえているのが現状であり、新たに配属されたスタッフにはさらに多くの不安を抱かせる環境となった。  そのためか、20年度配属された12名のうち、1年以内で6人ものスタッフが他病棟への移動・辞職等で当病棟を去るという事態が発生した。対象者への面接から、勤務交替の希望の理由は、三交替勤務に対する不満もあったが、知識・技術不足による不安に加え、重症・救急患者管理を主とするHCUという環境になじめないということも要因であることがわかった。  そこで、私たちは移動してきたスタッフの知識・技術の習得と、精神面へのサポートを強化する取り組みを行った。具体的には、各チームにプリセプティを置き、勤務交代者に対して常に関心を注ぎ、思いを表出しやすい環境作りに努め、新たに配属されたスタッフに対し適宜声かけを行い精神面のフォローをするとともに、チェックリスト・各個人に合わせた年間計画を作成し、HCUで必要な知識・技術が習得できるような取り組みを行った。その結果、この取り組みを振り返り、救急・集中治療領域における勤務交替者の教育の要点は何かを明らかにし、ここに報告する。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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