日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-D2-6
会議情報

周産期病棟における急変時に必要な知識・技術の向上を目指した取り組み
今堀 みさお望月 みつ江福田 純子諸星 浩美中山 毅石橋 武蔵田中 一範玉内 登志雄
著者情報
キーワード: 一次救命処置, 教育, 周産期
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

<目的>  産科疾患はとりわけ緊急性が高く、迅速な対応が必要であり、産婦人科・小児科の混合病棟に勤務するスタッフ(以下周産期スタッフと略す)は、心肺蘇生についての知識や技術が求められる。そこで、周産期スタッフの心肺蘇生についての意識を知り、周産期における心肺蘇生を含む急変時の対応についての知識・技術の向上及び強化を図る事が必要であると考えた。今回、心肺蘇生に関する意識調査をもとに、病棟内で様々な取り組みを行ったのでここに報告する。 <研究方法>  周産期スタッフ及び内科病棟に勤務するスタッフ(以下循環器スタッフと略す)を対象にアンケート調査を実施した。周産期スタッフを対象に、BLS講習会実施後、心肺蘇生トレーニング(以下勉強会と略す)を7回実施後、勉強会終了3ヶ月後にアンケート調査を実施した。 <結果・考察> 周産期スタッフは循環器スタッフに比較し、心肺蘇生遭遇回数は少なかった。両スタッフ共、心肺蘇生に遭遇した回数・経験年数に関係なくトレーニングの必要性を感じていた。そこで、心肺停止時に備えた勉強会や病棟内改善を行う取り組みを実施し、手技を確実に覚えることが出来た。しかし、丸山氏は「心肺蘇生法受講後、2週間で手技を忘れはじめ、1~2年経つとほとんど忘れている」と述べている。勉強会終了3ヵ月後のアンケート結果でも心肺蘇生法に関する技術の曖昧さから自信をなくしている者が増えていたことにより、勉強会は継続性と実践が必要である事がわかった。今後も心肺蘇生に必要な知識や技術の習得を継続し、心肺停止を含む緊急時に対応できる周産期スタッフの育成に取り組んでいく。

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top