<目的>
今回、2009年度農林水産省からの「農村高齢者の健康支援推進事業」の一環として行った『農村高齢者の農繁期と農閑期における健康状態等の比較』のうち身体活動量の調査結果を報告する。
<対象>
長野県南佐久郡川上村・南牧村の居住者で、本事業の主旨に同意された65歳以上の調査協力者のうち、両時期に参加され有効データを得た男性78名(農作業従事71名、農作業非従事7名)女性106名(農作業従事92名、農作業非従事14名)の計184名。
<方法>
農繁期(10~11月)、農閑期(2月)の両時期にヘルススクリーニングを行い、同時に身体活動量調査を行った。身体活動の内容を問う記入用紙(行動記録用紙)を用いて、両時期の農作業内容を5日間調査、同期間に1軸加速度センサー内蔵の活動計(スズケン製Lifecorder GS)を用いて、歩数と運動量を調査した。データ比較は、性別、農作業従事有無別に行い、ウィルコクソンの符号付き順位検定を用い有意水準は5%未満とした。
<結果>
表1に示すが、歩数、運動量は農作業有無に関係なく農閑期の方が有意に少なかった。また、性別で比較した場合でも農作業従事の男女、農作業非従事の女性で農閑期の方が有意に少なかった。また、農繁期における農作業内容についてみると、多種多様な記載があり、中でも収穫や出荷に関わる作業の時間が長かった。
<結論>
今後、農繁期の中でも特に多忙な時期における実態やそ菜生産以外の農業者の実態を把握していく必要があると考える。