日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-A3-8
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健康を支えあえる仲間づくり・地域づくりをめざして
~JAいわて中央いきいきチャレンジの会の生活習慣改善事業中間評価~
石川 貴子東山 江里石川 やよい
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抄録

<はじめに>本会で実施していた健康教育は、組合員とその家族及び地域住民への単発支援、人間ドック受診者へのフォローも1回のみで生活習慣改善や行動変容の評価に至らなかった。
平成21年度に、健康づくりの輪を広げ支えあえる仲間づくり、地域づくりをめざした生活習慣改善事業(限定されたJA組織の中から主旨に賛同した10~20人を1グループとして一緒に一日人間ドックを受診、個別支援とグループ自らが企画する健康づくりグループ活動を約1年取り組む)を開始。仲間意識の育成を目指した支援を行いながら、グループ、各組織、部会内、地域と波及する地域の健康づくりを目指している。今回は1グループの取り組みの途中経過から、グループでの取り組みが個人の健康づくりに与えた影響と、健康づくりを支えあえる仲間づくりへの支援の効果について検討した。
<対象と方法>平成21年7月から本事業に取り組んだ『いきいきチャレンジの会』会員22名(JAいわて中央紫波地域志和支部員19名+JA職員3名)(平均年齢59.0歳±4.8歳)を対象とし、事業開始9か月後にアンケートを実施した。(回収数:22名)
<結果>1.個人の健康づくり目標を継続実施している人は22名中15名であった。2.「参加して良かった」と答えた人は22名中15名であり、理由として“仲間と支えあいながら、自分にあった健康づくりに取り組めているから。”を一番に選んだ人が最も多かった。3.生活習慣改善は一人で取り組むほうが良いという人は2名のみで11名が仲間と取り組んだほうが良いと答えた。4.本会は「いきいき通信」によって側面支援を行ったが、これを「いつも読んでいた」人は22名中17名であった。5.会の役員4名から女性部員の反応を伺ったところ、“女性部活動と同時開催で相談会をやった時は、いきいきチャレンジの会員以外の部員が興味を持って聞いてきた。”“一部部員だけの活動だが、全体的に健康に関する興味が強まったかな。”という声があった。
<まとめ>グループでの取り組みが個人の健康づくりに与えた影響は現状においては不明確であったが、会員の情報共有やグループ活動企画・実施への支援等を行うことで、仲間意識を育て、支えあい、挫折を防止する効果がみられた。また、本事業を組織の中で取り組むことにより、組織自体にも健康づくりへの関心や興味といった意識の変化がうかがえた。   

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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