<緒言> 平成20年度に実施した人間ドック受診者中、239名に特定保健指導を実施し、1年後の人間ドックの結果よりその効果について検討した。<BR> <対象及び結果>保健指導実施者239名中、中断者28名・拒否者3名を除く208名(男性160名・女性48名 平均年齢51.2歳)の6ケ月後の結果では、平均値で体重の減少・腹囲の減少・血圧の低下がみられた。体重は1.2kg、腹囲は2.4_cm_(P<0.01)減少した。<BR> 1年後の人間ドックの結果を保健指導介入者208名中、未受診者18名を除く190名・積極的支援者112名(男性99名・女性13名) 動機付け支援者78名(男性50名・女性28名)について検討したところ、全体の平均値ではHbA1cのみ0.07%高値となった以外すべて減少していた。有意差をもって減少(改善)していた項目は、体重-1.52_kg_(P<0.01)、腹囲-2.0_cm_(P<0.01)、HDL-Ch1.4mg/dl、空腹時血糖-1.6mg/dl(P<0.01)、肝機能検査では、AST-1.57IU/l(P<0.01)、ALT-3.59IU/l(P<0.001)であった。<BR> また、支援レベル及び男女別により有意差に違いが認められた。(女性:BMI 0.74(P<0.01)・男性HbA1c0.87%(P<0.01))<BR> <考察>介入開始時の「無関心期」が女性では4.6%男性では27.3%であったが、次年度での指導階層化レベルの改善が81名 42.6%(男性 40.3%・女性48.8%)にみられ、介入の効果は得られたと考える。<BR>今後は、無関心レベルの方への介入の方法の検討を含め、保健指導のスキルアップをはかり、継続的改善に効果の上がる介入をめざしたい。