日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-A4-3
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CT画像上 腎被膜肉腫との鑑別が困難だった腎細胞癌(Spindle cell carcinoma)
近田 龍一郎野澤 立大澤 泰介
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抄録

症例】73歳・女性。【主訴】右側腹部腫瘤。【既往歴】高血圧・高脂血症・心房細動・洞機能不全でペースメーカー挿入。【家族歴】特記事項なし。【経過】平成21年8月24日に前医からCTで右腎腫瘍を指摘され紹介。CTで右腎下極に12×9×11cm大。動脈相で薄く、平衡相で内部不均一に造影される腫瘍を認めた。9月16日右腎癌(T3aN0M0)または腎被膜肉腫の診断で、根治的右腎摘除術を施行した。摘出標本は肉眼的に黄白色、組織学的には大型の異型核を有する紡錘形の細胞増殖がみられ、サイトケラチン・Vimentinはいずれも陽性だった。術後病理組織診断は肉腫様腎細胞癌であった。現在患者は活性型ビタミンD3の内服のみで経過観察中であるが、平成22年4月15日のCTでは再発・転移を認めていない。今回我々はCT画像上腎被膜肉腫が疑われた肉腫様腎細胞癌を経験したので文献検索を含めて報告する。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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