日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
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ISSN-L : 1880-1730
第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: W5-1
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当院における糖尿病療養支援システムの検討
~再構築から2年間のまとめ~
長崎 寿夫関 夏恵柳沢 啓介岡沢 香津子宮本 亮子中山 よし江梅松 幸栄中山 佳典湯本 英幸南 茂
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抄録

【はじめに】当院では医師不在により糖尿病外来が一時中断された。2年前に新たに医師を迎え、医師、コメテ゛ィカル、事務等協力して運営し、地域に対して糖尿病の予防、外来、入院システムを再構築している。地域の現状、当院の糖尿病診療・療養指導の状況と問題点、課題を含め報告する。
【現状】2000年~2009年の当院健康管理部による健診事業の結果からデータを抽出した。HbA1cについては年々上昇傾向がみられ平均5.2%を超えていたが、糖尿病の治療者数は減少傾向にあった。
【再構築の内容】様々な患者のタイプを踏まえた上で、システム再構築を検討した。
入院:1週間の教育入院とクリニカルパスの導入、外来:血糖コントロール不良への対応(病診連携)、糖尿病教室の開催、医師・L-CDE・CDEJを中心とした糖尿病対策チームによるスタッフ会議の開催、地域住民への啓蒙・啓発活動。
【結果及び考察】外来患者が急増したが入院システムへのスムースな移行が可能となった。重症例が多くインスリン新規導入者は50%を超えた。個別対応(重症患者、妊婦への対応、精神疾患の合併、外国人など)、テーラーメード対応の必要性や、スタッフ間のコミュニケーション連携強化がみられより効果的な診療体制作りや患者への気配りが可能となった。 結果として血糖値・HbA1cの改善につながった。今後、患者ニーズや社会情勢を配慮した短期入院システムの構築が課題である。糖尿病教室開催により、地域住民との関係や広がりが出来た。糖尿病診療・療養指導をより戦略的に、特に1次予防や地域の保健活動を重視し、CDEJやL-CDEが機能的に活動し発症の予防に努めること、地域連携パスの構築に向け努力していきたいと考える。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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