日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-G2-4
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ガスコージェネレーションシステムの効率運転報告
熊澤 喬士牧野 明夫時原 千尋原 幹近藤 隼
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抄録

[背景] 1997年の京都議定書の採択を受け、コージェネレーションシステム(以下、コージェネ)の開発・導入が積極的に推進され、2003年に閣議決定された『エネルギー基本計画』には、『分散型エネルギーシステムの構築』が位置づけられている。 [システム概要] コージェネはエネルギー変換の総合効率向上およびクリーンな都市ガスを利用という温暖化対策への二つの特性を持っている。発電効率は電力会社からの受電と大差ないが、コージェネの場合、排熱として熱エネルギーが約30%得られるため総合効率は70%となる。 また、石油・石炭と比べCO2やNOXの排出量が1/2以下となることから、当院は2008年1月1日に新築移転したことを機に省エネ・省コストであるコージェネを導入した。 [稼働状況と結果]  当院ではボイラー、コージェネ、冷温水発生機を自動制御で管理しているが、コージェネ発電重視と電力会社からの受電重視の切り替えについては制御ソフト開発費用が高額であるため対応していない。また、総合効率は排熱回収効率(蒸気・温水の使用量、熱需要)により大きく変化するため、院内の熱需要を予測しながら細かく制御する必要があるため手動で切り替えを行っている。切り替え点の決定には、時間・曜日等の要因から総合効率が大きく変化するタイミングを探しだすことが重要であり、現在では73%を目途に切り替えを行っている。これにより現在では、移転時の想定した総合効率74%を大きく上回る総合効率80%を実現することが出来た。 また、系統連係制御による稼働率の向上および運転条件の適正化によるエネルギー効率の向上により熱源の有効活用を行い、ボイラー使用比で約11%のCO2排出量削減を実現することができた。今後の課題としては、切り替えのタイミングが管理者の感覚による部分があるため、誰でも行えるようマニュアル化に取り組んでいきたい。            

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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