日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-G2-7
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オペラマスター導入による手術室業務の可視化と運営改善への取り組みについて                             
寺田  昭彦菊地  秀和薗部  裕司小薬  倫行久保田  一則
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キーワード: 可視化 , 標準化, 効率化
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抄録

はじめに
手術室運営は病院経営に大きな影響を与えるものである。当院では年間約5000件(2007年実績)の手術を行っており、その数は毎年増加傾向にある。
手術室の問題点としては、件数増加に対するマンパワーの不足やオーダリングシステムの運用変更等があった。その対応策として看護師業務の効率化を図り、またオーダリングシステムデータから手術室業務可視化を目的にオペラマスターを導入した。
方法
手術件数増加に対応するため、2007年10月より手術室と施設課でオペラマスター導入について検討を始め、2008年10月に導入した。
その内容として、キット製品46種類とピッキングリスト115種類を作成し、ホギメディカル常駐職員1名による運用を開始した。それにより材料を標準化し、手術準備業務を看護師から看護助手に移行した。看護師が材料に関わる業務から本来の看護師業務に転換し効率化を図った。
また、手術部運営委員会においてオペラマスターの活用による手術室運用の可視化及び客観的評価を行った。
結果
材料の標準化を行い、手術準備業務を看護助手へ移行したことにより、看護師業務の直間比率(直接患者に関わる業務)が15%増加した。手術室スタッフの増員がされない中で、毎年約200件増加している手術件数に対応することが出来た。また、情報面では原価計算、手術室稼動等データにより客観的評価の指標を作成した。
考察
オペラマスターによる標準化の推進、手術室運用の客観的データにより、可視化を行うことで限りある手術室資源(人、物、場所、金)を効率的に運営することが出来た。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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