日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-G3-4
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胸痛を訴え、当院救急外来を受診した患者のNT-proBNP・尿酸値の解析
久保田 勝俊緒方 正樹大岩 れい子岩月 奈都松田 弘美鈴木 和人花之内 基夫
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キーワード: NT-proBNP, 心不全, 早期診断
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抄録

胸痛を訴え、当院救急外来を受診した患者のNT-proBNP・尿酸値の解析 久保田勝俊(クボタ カツトシ) 大岩れい子1)、岩月奈都1)、松田弘美1)、鈴木和人1)、花之内基夫1)、緒方正樹2) 愛知県厚生連知多厚生病院臨床検査技術科1) 同内科2) キーワード:NT-proBNP 心不全 早期診断 【はじめに】 NT-proBNPは、心不全の診断・病態把握に有用なマーカーとして測定されている。 当院臨床検査科では、自動分析装置の更新に伴い、生化学・免疫検査を24時間測定・30分報告の体制を整え、緊急検査の充実を図った。 【調査対象と方法】 対象者:平成21年8月より平成22年2月の間、胸痛を訴え、当院救急外来に救急搬送及び受診した患者145名(男性72名女性73名平均年齢76.4歳)を対象とした。 調査方法:入院加療を必要とした患者と帰宅された患者のNT-proBNP 及び尿酸値を比較検討した。NT-proBNPは、腎機能の影響を反映する為、eGFR60ml/minで区切り各々比較検討した。測定機種はCobas6000(ロシュ・タ゛イアク゛ノスティックス)を使用した。 【結果】  入院加療を必要とした37名の患者に対し、無症候群(NYHA分類_I_度)が10名存在した。  入院加療を必要とした患者は、帰宅患者に対し、腎機能正常群では、NT-proBNPのみ高値を示した。一方腎機能低下群では、NT-proBNP、尿酸値ともに高値を示した。  入院加療したが、治療効果が認められず死亡された患者ほど、NT-proBNP及び尿酸値の上昇を認めた。 【考察】 近年“早期診断・早期治療”が唱えられている中、当院の救急外来では、時間外診療を各診療科の医師が交代で診察を行っている。 本検討からNT-proBNP 及び尿酸値は、腎機能が低下している患者において、心不全の重症度を反映することが示唆された。 今後、NT-proBNP 及び尿酸値を測定する事により、心不全の除外診断・重症度の早期判定に有効な指標になりえるかどうか更なる検討を続けていきたい。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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