【目的】冠動脈造影検査において中等度狭窄(AHA分類50~75%程度)を認める病変においては治療適応があるか否かの判断が困難な症例がある。今回造影上中等度狭窄を認めた症例に対しPressure wireを使用しFFR(Fractional Flow Reserve)を評価する機会を得たので報告する。 【方法】冠動脈造影上中等度狭窄病変を認めた5例にPressure wire(St.Jude社Pressure wireTM Certus FFR Measurement System)を施行しFFRを計測した。また同一病変に対しQCA(Good Net社QCA-CMS)を計測した。FFR0.80以下を治療対象とし治療を施行した症例においてはIVUS(Volcano社 Revolution)にて評価した。 【結果】今回の5症例ではFFR 0.80以上が4例、0.80以下が1例であった。QCAでは40%以下1例、40%~50%が4例であった。治療を行った1例ではFFR最小値0.75、 QCAは45.85%、IVUS計測値ではVessel Area 15.2mm2、Minimam Lumen Area 3.2mm2でPlaque Burden 78.9%と計測された。 【考察】QCAでは40%台であったが、FFRは0.80以下を示しIVUSにより有意狭窄が確認できた。中等度狭窄においてはFFRを用いることでより詳細な判断が行えると考えられる。 【結語】FFRを使用することで評価の難しい血管に対し虚血を誘発する病変か否かを判別することができた。FFRは中等度狭窄部位に対し治療適応決定の指標の一つになり得ることが示唆された。