日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1G-1
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職員のワクチンプログラム構築とその管理についての取り組み
磯部 貴子兵道 美由紀中島 徹也林 琴美大岩 啓三岡村 武彦小野 芳孝片山 訓道
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抄録
2009年に環境感染学会から「院内感染対策のためのワクチンガイドライン」が発表された。それによるとワクチン接種を行うことは、職員の健康を守るだけでなく、患者や職員への感染防止、二次感染による職員欠勤などの医療機関の機能低下防止のためにも重要であるとされている。
当院ではHBS抗体の測定を職員健康診断の一環として毎年測定し、希望者にワクチン接種を行っている。その結果、職員約1600人中、50名程度のワクチン接種を行っている。しかしデータ管理は個人にまかされており、抗体保有率、接種による抗体獲得率などの把握ができていなかった。また麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘に関しても、入職前にワクチン接種を推奨していたが抗体価の確認をすることはなく個人管理になっていた。
そのような折、2010年に職員より流行性耳下腺炎が発症し、感染対策課として接触者調査、抗体価検査などを行ったが、流行性耳下腺炎の罹患歴、ワクチン接種歴もない職員がいることが判明し対応に苦慮した。そのことをきっかけに当院では、今年度全職員の麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎の抗体価測定を行うことになった。また抗体価が低い職員に対してワクチン接種を行うことになった。データ管理に関しては今まで個人管理で行っていたものを、労働安全事務局、感染対策課、個人で管理することになった。
今回、HBS抗体保有率を含めた検診結果と、職業感染管理の当院の実際をまとめ、今後の方向性を含めて報告する。
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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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