日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2B-19
会議情報

長野県厚生連DPC研究会の活動報告
西澤 延宏牧下 英夫依田 尚美花里 恵二大久保 吉弘神戸 徳彦小林 洋一宮崎 正新池内 英徳夏目 航也
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 DPC制度は、急速に普及し、現在の急性期の入院医療では既に定着してきている。このDPCのもつ特性のうち、現在の日本で唯一の医療の共通尺度として、さまざまなデータを使って、病院のベンチマークを行うことが、一般化してきている。その中で、長野県厚生連は、急性期医療を行う病院を中心に、病院間のベンチマーク事業に取り組んできており、平成21年8月より、DPC分析ソフトを用いて、長野県厚生連のDPC病院6病院のデータがお互いに見ることができるようになっている。現在は施設名を開示して、症例単位のデータがお互いに参照できるようになっている。更に、共通基盤を持った病院同士の問題に取り組み、全体としてより良い医療を提供し、確固たる経営基盤を構築するために、平成22年度にDPC研究会を発足させた。
 研究会の事務局は、厚生連本所においている。会の運営を担当するのは、世話人会が中心であり、DPCに関係する各病院から選出されている。世話人は、様々な職種から選ばれており、医師・看護師・薬剤師・診療情報管理士・医事課職員である。事務連絡などは厚生連本所が行うが、内容は各病院が主体的に取り組み、独自性を発揮することとした。
 既に3回の研究会を開催したが、今まで見ることができなかった各病院の違いが、データの上で明瞭であり、様々な議論をする中で、充実した内容となっている。また、自院の問題点が把握され、病院に帰ってから改善活動につなげられたケースもある。
 会の内容は、基本になる情報やデータを提示することで、担当者に気づいてもらう、あるいは問題意識を高めてもらい、自ら改善する努力を促す仕組みを作ることが基本である。また、最新の情報提供や各病院の取り組みの紹介なども行い、長野県厚生連全体の医療の標準化を促進し、質の向上につなげていきたいと考えている。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top