日本農村医学会学術総会抄録集
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ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-D-2
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ESD及びERCP用処置具ハンガーの作成
多田 小夜子井手上 章代石原 志穂前田 樹里小林 伸也山下 拓磨横内 桂子松岡 裕士細見 直樹
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抄録

【はじめに】近年、消化器内視鏡の処置具は多種多様となり、検査、治療はより煩雑化してきている。特に内視鏡的胃粘膜剥離術(以下ESD)や内視鏡的逆行性膵胆管造影(以下ERCP)では、複数の処置具が必要であり、検査中の処置具の管理が重要となる。今回、処置をより安全・円滑に実施するために処置具の管理について検討をした。【目的】処置具ハンガーを作成する事で、以下の項目の改善および見直しを行う。1.ESD・ERCPの作業効率の改善を図る。2.処置具ハンガーを低コストで作成する。3.処置具の衛生面や取り違え防止など安全性の見直しを行う。4.処置具ハンガー自体の安全性や清潔性について検討をする。  【方法】病棟で不要になった点滴台や市販の金属製フック等を使用して、ESD用処置具ハンガーを作成した。更に検討・改良加え、衣料用ハンガーやプラスチック製のホルダーを使用して、ERCP用処置具ハンガーを作成した。【結果】ESD及びERCP用の処置具ハンガーを低コストで作成することができた。フックやホルダーの固定部に金属格子を使用することで、高さの調節や処置具保持の際の安定感を保つ事が可能となった。その結果、処置具の見分けや取り扱いがしやすくなり、処置時間の短縮や介助者の人数削減を図ることができた。また、2つの処置具ハンガーを同時に使用する事で、多種多様な処置に対応できるようになった。衛生面に関しても、使用毎に格子部分のシートを貼り替えることやビニール袋を装着したボックスをハンガーの下にセットすることで以前より衛生的に処置が行えるようになった。安全性に関しては、試作の段階から実際に使用する処置具やそれ以上に重い処置具をかけて、強度や耐久性の確認を行った。結果、十分な安全性が確認でき、現在も問題なく使用できている。 【結論】今回、ESD及びERCP用処置具ハンガーを作成した。安全性と衛生面に関して十分に検討を重ねた上で、現在日常臨床での使用を開始している。実際に使用してみて、その有用性は明らかであるが、衛生面などでまだ改良点はいくつか存在し、今後更なる検討および改良が必要であると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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