日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1C-8
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LASAYオートRPRの基礎的検討
菅沼 康久木村 裕恵松下 次用立川 将也吉田 正樹川島 司郎野坂 博行
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キーワード: RPR, 日差再現性, 血漿
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抄録

【はじめに】脂質抗原を用いた梅毒検査は、ガラス板法やRPRカード法が一般的であるが、今回、ラテックス凝集免疫比濁法を原理とした自動分析装置RPR測定試薬「LASAYオートRPR」の基礎的検討を行う機会を得たので報告する。 【方法】JCA-BM6050型自動分析装置(日本電子)を使用し、検討試薬(A社:デンカ生研)LASAYオートRPRの基本性能の確認と、対象試薬(B社:極東製薬工業)メディエースRPRとの同時・日差再現性、相関性および血漿検体の比較検討を行った。 【結果】_I_.同時再現性:陰性および陽性の患者血清を20回重複測定。陽性血清のCVはA社は0.88、B社は3.44となった。_II_.日差再現性:初日のみキャリブレーションを行い試薬を自動分析装置にセットした状態で26日間(n=19)管理血清を測定。A社では陰性管理血清および陽性管理血清(約6.0R.U)で明らかな変動はみられなかったが、B社では陰性管理血清が2.3R.U。陽性管理血清の2.0R.Uが4.4Rとなった。_III_.相関性:患者血清検体96件(陽性12件、陰性84件)測定。陰性・陽性の一致率は100%であった。_IV_.陰性検体84件を血清およびEDTA-2K血漿とヘパリンリチウム血漿にて測定した。A社は全て陰性であったが、B社のヘパリンリチウム血漿検体は61検体で偽陽性となり、EDTA血漿検体は全て偽陽性となった。_V_.A社基本性能:直線性は20R.Uまであり、180R.Uまでプロゾーン現象は認められなかった。共存物質のアスコルビン酸、ヘモグロビン、ビリルビン、乳びについて確認したが、乳びで正の影響が確認された以外は特に影響は確認されなかった。 【まとめ】LASAオートRPRは同時再現性、日差再現性が良好で、血漿検体の測定が可能であり、日常検査に有用と考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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