日本農芸化学会誌
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醗酵法に依るアセトン及びブタノールの製造に關する研究(第3報) 切干甘藷のアセトン・ブタノール醗酵(其の1)
桶田 秀雄曾和 徳雄渡部 篤橋本 芳則
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1942 年 18 巻 8 号 p. 785-792

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抄録
切干甘藷を原料とするアセトン,ブタノール醗酵を半工業的設備に於て實施したる成績を述ぶるに當り先づ醗酵設備の概要並に實際操作の基準に就て略説し,次で醗酵實施例及び成績の總括を示し之に對する考察を加へたり.之を要約すれば下記の如し.
(1) 切干甘藷は適當なる副原料の配合に依りワイズマン氏細菌を用ひて容易に醗酵せしめ得,工業的實施に於て次の如き收量を以てアセトン,ブタノール,エタノールを確實に生産し得たり.
原料對收量:アセトン6.6%,ブタノール12.1%,エタノール3.0%
(2) 副原料として大豆粕及び硫安の併用は最も有利にして之等の配合割合並に該醪の蒸煮條件を明にせり.
(3) 醗酵成績に及ぼす諸條件の影響に就て考察を行ひ優良條件の選定を行ひたり.
終りに臨み本研究に當り當初より御指導を賜りたる東大農學部坂口謹一郎教授並に故鈴木彰農學士に對し深謝の意を捧ぐ,又終始御鞭撻御激勵を下されたる中野前社長,木村工場長,大我部長,今般當研究發表を許可されたる大和田社長に對し深謝の意を表す.尚本研究進展に就き御盡力を仰ぎたる日曹人絹パルプ株式會社,理博小泉俊三氏,蒸溜機改修に關し御盡力を受けたる日本蒸溜機工業會社に對し深謝す.
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