日本農芸化学会誌
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種實グロブリンの硫黄の形態
森 茂樹
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1944 年 20 巻 3 号 p. 179-182

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抄録
(1) 豌豆,小豆,大豆,落花生,棉實,大麻及び桃實等7種の種實よりグロブリンを調製し,各々につき至硫黄,メチオニン,シスチン及びH2S量を定量比較した.
(2) 各種蛋白につき活性SH量を定量し,(イ)SH量がpH價の上昇に伴ひ一様に増加することと,(ロ)SH基が自然的に減少し比較的短時間に消滅する事實を指摘した.
(3) SH量が種實或は其の蛋白の新鮮度に比例して増減あるが故に,此の量が種實自體の生活力の指標となることを指摘した.尚定量法及び定量結果に對する吟味を附記した.
本研究を行ふに當り御懇篤なる御指摘を賜はりたる京都帝國大學教授近藤金助先生に謹んで感謝の意を捧げ,併せて實驗材料の入手に當り特別の配慮を煩はせし京大助教授木村光雄氏及び京大助手瀬川彌太郎氏に深く謝意を表する.尚本研究は文部省科學研究費の補助により遂行し得たのである.記して以て感謝の意を表する.
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