日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
スポロボロミセス赤色酵母に關する研究
(第11報)深部培養に就て(増殖生理,その4)
山崎 何惠里村 幸男山本 武彦藤井 久雄渡邊 賢一
著者情報
ジャーナル フリー

1950 年 24 巻 10 号 p. 443-446

詳細
抄録
スポーロボロミセス赤色酵母の多量培養の爲の豫備實驗として實驗室的規模の通氣培養を行つた結果次のことを知つた.
1) 當赤色酵母は本來その増殖速度が遅くそのGeneration Timeは6時間位である.
2) 當赤色酵母の増殖過程には細胞が先ず蛋白質を主に合成する時代と,それに續く脂肪,多糖質物等の貯藏物を合成する時代との2時代が比較的明瞭に認められる.
3) 當赤色酵母はその墳殖の終期に於いて供與ベプトンの約40%に相當すゐ非資化性の窒素物を殘す.
4) 當赤色酵母の増殖には培養液のC:N=12~15:1の時が最適であり,脂肪質物30%を含む菌體が消費糖に對し約50%得られる.
5) 窒素源としてはベプトンが最適である.アスパラギン等の場合は増殖誘導期が著しく延びるが,終局の菌體量は左程劣らない.
本研究の費用は一部を交部省科學研究費に仰ぎ,一部は三共高峰研究所に仰いだ.記して謝意を表する.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
次の記事
feedback
Top