日本農芸化学会誌
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細菌ポリガラクチュロナーゼの精製及び性質
梶 明穴吹 吉夫
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1955 年 29 巻 10 号 p. 775-780

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抄録

1. Cl. felsineum var. sikokianumの液化型PGがAmberlite IRC-50によく吸着されることを利用して糖化型PGと分離して精製を行つた.又Protopectinaseも除表出来た.
2. 糖化型PGはIRC-50に吸着されることなく通過液に存在するので,液化型PGを含有しない糖化型PGの粗酵素剤を得た.
3. 液化型PGのペクチン酸に対する作用型式を検討し,その主要生産物は尚polyuronideでlimit polygalacturonic acidと称すべきものである.
4. 糖化型PGはペクチン酸に直接作用することなく,液化型PGが作用して生成した上記polygalacturonic acidを分解する.生産物はmono-, digalacturonic acidである.
5. この細菌の液化型PGはペクチンに対してはペクチン酸に於けるより遙かに小さい作用力を示す.

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