1957 年 31 巻 2 号 p. 90-93
緑茶の品質とペクチン数との関係を検討した結果次の成果を得た.
1. 蒸熱緑茶及び釜炒茶は,共に原料茶葉のペクチン数がその製造中に大きな変化を受けることなく殆どそのまま製品緑茶のペクチン数として現われる.
2. 蒸熱緑茶のペクチン数は,よくその品質と比例し,全窒素量よりも更に明確に品質を表示することができる.
3. 釜炒茶は,そのペクチン数から中共茶系及び日本茶系の2群に分れるが,同一群内ではペクチン数は全窒素量に比例し,その品質と比例するものと考えられ,特に中共茶のペクチン数は著しく大きい.
以上の結果よりペクチン数は緑茶の品質をよく表示するものということが出来る.