日本農芸化学会誌
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種実エステラーゼに関する研究
(第2報)米胚芽エステラーゼの調製(その1)
小原 哲二郎小笠原 八十吉
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1958 年 32 巻 11 号 p. 867-871

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抄録
(1) 著者等の行った米胚芽エステラーゼ抽出法の中, 20倍量の0.025N-アンモニア抽出法が最も優れていた.
(2) このようなアンモニア抽出液から,燐酸鉛による吸着精製を経て最初の7.5倍の比活性度を有する米胚芽エステラーゼ溶液を調製した.
(3) このようなエステラーゼ溶液中に約1/3存在する非泳動性蛋白はエステラーゼ蛋白ではなく,エステラーゼ蛋白はその他の3泳動性蛋白中のいずれかに属している.
(4) 米胚芽中に存在するエステラーゼ蛋白は極く微量である.
(5) 米胚芽エステラーゼは透析処理や電気泳動処理によって完全に失活することから判断すると,或種の非蛋白性物質の協力によってはじめて活性化されるものと考えられる.
(6) 米胚芽エステラーゼは凍結乾燥処理によっては少しも失活されない.
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